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オイラの永遠のヒーロー

おいら、親戚や知人の訃報に接しても泣く事はない冷たい面を持ってて、ましてや芸能人とかの訃報のニュースなら、どんなにお気に入りの人だったとしても泣いたりすることはまずない。
、、、、が、それでも過去、3人に対しては、最初に訃報を聞いたとき号泣した想い出がある、、いちばん最近は尾崎豊(1992)。あと意外に思われるかもしれないけど、チャーリー・チャップリン(1977)。ちょうど、その時期公開されたチャップリンを追った秀作ドキュメンタリー映画「放浪紳士チャーリー」を観て、チャップリンの偉大さに感動した直後で、しかもクリスマスの日の訃報だったんで、当時小学5年のオイラはしゃくり上げて泣いたもんだ、、(しかし、「放浪紳士チャーリー」はいつになってもビデオ化されんぞ!これ観てるから、後のアッテンボローの「チャーリー」の駄作ぶりは許せんかった)

オイラの永遠のヒーロー_e0089956_475330.jpgで、もう一人が、スティーブ・マックイーンである(1980)。マックイーン死去のニュースを知ったのは熊日新聞の朝刊。バイクで疾走するマックイーンの写真とともに紹介された記事の上に、涙がボトボトと落ちたのを覚えている。闘病生活を送っていたのは知っていたから、どっかで覚悟はしてたけど、泣けて泣けて仕方なかった。
その一月後に遺作の「ハンター」が公開され、学校休んで初日に観に行き、再び号泣したもんだ(一方で同時上映「フライング・ハイ」に大爆笑したバチアタリである)。この辺の時期のマックイーンに対する熱い想いをオイラとなどさんに語らせたら世界最強だと自負してる。
ちなみに、そのひと月後の12月にジョン・レノンが殺されてるから、おいらの人生にとって、中2だった1980年という年は、ある意味呪われた年であった(実際、個人的にもその後の人生を左右するイヤなことが続いたし)。

で、「パピヨン」を再見して思った。はたして今のハリウッドに、マックイーンほど、その作品の主役としての輝きと存在感を示せる役者がいるだろうか?と。
トムクルも、ブラピも、ディカプリオも、ジョニデも大好きだが、残念ながら、マックイーンに比べりゃ足元にも及ばない。よくマックイーンの再来と言われるラッセル・クロウに至っちゃ、比べることすらチャンチャラおかしい(確かに「LAコンフィデンシャル」では輝いてたが、あのときでさえマックイーンの膝下3センチくらいだろう)。

まぁともかく、当時、アクション俳優といわれ、演技面では下に見られてたマックイーンの「パピヨン」の魂揺さぶる演技を見よ!今年のオスカーで圧倒的演技力だったクリストフ・ヴァルツも、もしライバルにこのパピヨン=マックイーンがいたら敵わなかったかもしれん。つーか、当時オスカーのノミニーすらなってないってオカしいんちゃう?おいらが子どものときからアカデミー賞をあんまし信用していないのは、マックイーンに一度もオスカーを挙げてないからに他ならない(ノミニーは1度あるけど)。彼を認めないこと自体、当時のおいらには無能モノの証だったのだ。

その点で、やっぱスピルバーグは、さすがオイラのスピ兄ィ!と思うね。というのも「未知との遭遇」でリチャード・ドレイファスが演じたロイ・二アリー役は、スピルバーグが当初マックイーンを想定して書いたもの(脚本もスピ兄ィ)だからだ。実際スピルバーグがマックイーンに熱烈アプローチしに自宅に会いに行ったって話を後年知って号泣したもんだ。
マックイーンが「JAWS」のブロディ署長役の候補だったのは有名だが、主役はサメだとして無名の役者にこだわり、スタジオ側の要求(マックイーン)を蹴ったのはスピ兄ィである。しかし、スピルバーグは何もマックイーンを演技者として下に見ていた訳ではなかったのである。
にしても「JAWS」「未知との遭遇」という2つのスピ代表作の背景にマックイーンが絡み、運命の皮肉でともに出演が適わなかったという事実には、なんか泣ける!
もちろん、ロイ・シャイダーのブロディ署長も、リチャード・ドレイファスのロイ・二アリーも大好きだが、やっぱどっかで、マックイーン主演の「JAWS」と「未知との遭遇」も観てみたかった!というのが、おいらの正直な気持ちだ。(同じく出演を断ったコッポラの「地獄の黙示録」も加え、それら全部にマックイーンが出てたらと思うと、、、今さら言っても仕方ないけどね)

で、スピルバーグがなんで「未知との遭遇」のロイ・二アリー役を一見ミスマッチなマックイーンで、と思ったのかを考えると、やっぱ「パピヨン」の演技の影響が大きい気がしてならない。
子どものようにUFOに執着するロイ・二アリーと、純粋に自由になることだけに執着したパピヨン、、両者はまっすぐな執着心では重なるけど、ただ子どもっぽいだけの頭の悪そうな筋肉系役者が演じたら絶対に成立しない役だ。そこに必要な部分が重要で、スピ兄ィが求め、おいらが愛したマックイーンの魅力はそこにある。
不良少年っぽいけど品があり、俊敏な動きをしながらも知性を感じさせ、子どもっぽい純真さを持ちながらも男としての色気がある。まさに、「ムービースター」として完璧なんだよ、マックイーンは!!

将来オイラが死ぬ寸前、わが愛娘に「これまでいちばん好きな俳優は誰だったの?」と聞かれるとしたら、迷わず「マックイーン、、、スティーブ・マックイーン」と答えて昇天するだろう。
そんなマックイーンの作品が、彼の没後30年経た現在、「パピヨン」「ブリット」「大脱走」と3週続けてスクリーンで観られるこの幸せ、、ああ神様ありがとう!生きてて良かった。神様、ワガママついでに、来年は「華麗なる賭け」「ゲッタウェイ」「タワーリング・インフェルノ」をお願いします!
by cinema-stadium | 2010-07-01 22:49

スタジアム管理人凹貞治


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