「おいら」と「ボク」と「おれ」と「私」

このブログに引っ越すにあたって、
旧HPに記してた映画感想なども、併せてここに移転した。
その際、昔「あたし」と書いていた一人称表現を、
気づいたぶんは「おいら」という言葉に修正した。




自分のことを、普段の会話で「おいら」と言っているかといえば、
全然そんなことはなく、親しい友人や家族との間では「おれ」と言い、
ビジネスなどのかしこまった場では「私」を使っている。

要するに、自分を主語として話を相手に伝える場合、
その場の状況や相手に応じて、代名詞を使い分けている。
意識して使い分けているかと言えば、まったくそうでなくて、
そんなのは、その場で無防備に、自然体で出てくるもんである。

が、以前、HPを始めようとして、殊このことになぜか悩んでしまった。
当時、誰かのHPに書き込むという経験が少なかったからかもしれないけど、
ネット上で語るとき、自分のことをどう書き表せばいいか、
無防備に、自然体で出てくるような表現が見つからなかったんである。

「ボク」という表現はどうか…
ど田舎で生まれ育った自分にとっては、まるで無縁の言葉で、
これほど違和感のある表現はない。
何より自分のことを「ボク」と書いている自分が
いちばん自然でなく気持ち悪いので、まず却下。

じゃあ「おれ」はどうか…
普段の会話では一番多く使うけど、ネット上で「おれ」と書くのは
なんか引っ掛かるもんがあった。

勝手知ったる友人・知人のコメントに対するレスならわかる。
が、ひょっとしたら見も知らぬ人に読まれるかもしれん、
その可能性が高い文章に、「おれ」と書くのは、
自分自身どっかで抵抗があったりしたんである。
なんかエラそうで、傲慢で、生意気に思えたりしたんである。
確かに、実際エラそうで、傲慢で、生意気なことを書いてるわけだが、
そのことを冷静に認識している自分は、どこかで保っておきたかった。
ということで、この「おれ」もパス…。

それじゃ「私」はどうか…
うむ、これなら「ボク」や「おれ」なんかより、
ずっとしっくりくる……けど、なんか堅いなぁ。
基本的に、どうせHPやるなら、際どい表現も気にせずやってこうと
思っていたので、まずその場合に適さない。
たとえば、「チ×ポ」というお下劣な表現をするとしたら、
そのとき「私のチ×ポ」という言い方はないだろう、と。
(まぁ、それはそれで、そのギャップが面白いかもしれんけれど)
ということで、「私」もパス…。

じゃあ、他に何があるんだろう…
思いついたのが比較的しっくり来た「私」という表現の
アレンジとしての「あたし」であった。

アクセス数を稼ぐことに執着してないけれど、HPを持つという自体、
どっかで特定不能な人に読まれるという事実は避けられない。
そんな人たちに自分の文章を見てもらうことへの“照れ”もあったので、
「あたし」という表現は、そんな “照れ”もひっくるめて
うまく表してくれそうな気がしたんである。

で、「あたし」という自分の代名詞を持ち、HPを始めたわけである。
が、続けていくうち、またしっくりこないものを感じ始めた。
うまく言えないけれど、「あたし」と表現することで、
どっかで品を保とうと意識してる自分を感じ始めたんである。
要するに、“らしくない”のである。
基本的に、いくらネット上と言えども嘘はつきたくなく、
嘘つく場合も、真実を突くような嘘をつきたいと思ってるほうなので
なんか“らしくない”ものを感じ始めたら、
気になりだしてしょうがなくなった。

う〜ん、なんかもっと「らしい」表現はないか…
てことで、たどり着いたのが「おいら」である。
「ボク」のような品はないけど、「おれ」より傲慢さが薄れるし、
「私」より野卑な感じはするけれど、
「あたし」の“照れ”も併せもってて、なんかしっくりくる。

そんなこんなで、今、ネット上での自分の代名詞は「おいら」である。
「ボク」という表現が似合う人もいれば、
「おれ」という言い方がぴったりというHPもあるように、
自分には、ネット上の顔として「おいら」がフィットするんである。
もちろん、100%“らしい”表現かといったら、そうは思わないけど、
ネット上で自分のアイデンティティを保ちながら、
いろいろ書き記していく上で、
これほどストレスを感じずに表現できる言葉は他にはないんである。
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by cinema-stadium | 2005-10-12 14:36 | Comments(0)