糸井重里「ほぼ日刊イトイ新聞の本」

おいらは、糸井さんが何やらHPやってることは、前から知ってたが、
正直、あんまし興味もなかったということもあり、その詳細も知らなかったし、
その「ほぼ日」とやらをまだ1回も訪れたことがなかった。
…「なかった」という過去形も事実とは違うなぁ、、
読み終わった今でさえまだ行っていないし…




というのは、別に糸井さんが嫌いとか、
本読んでHP面白くなさそうとか思ったわけじゃなく、
たんに今忙しいんで、行ったら時間奪われそうな予感がするから
行かないだけで、この忙しさを抜けたら行ってみようと思う。

e0089956_9202685.jpg…と、まぁ、全然興味なかったそんなおいらまで、
その「ほぼ日」を覗いてみたい、という気にさせる本であった。

ハッキリ言って、「ほぼ日」が実際始動してからのエピソードは
おいらは大して面白いと思わなかったけど、そこに至るまでの
まだ何もないところで、
誰もやってないことをやろうとしていることの
糸井さんの楽しさと不安を綴った前半部には、思い切り共感できた。

なかでも、「ほぼ日」をやることの引き金になったともいえる
広告や業界に対する考え方なんかは、特に、、、
糸井さんとは面識もなければ、取り巻く環境も月とスッポンのように違うけれど、
同じ広告という業界にいるおいらにとっては、
何より糸井さんクラスの人間でも同じこと感じてたんだ、、という嬉しさがあった。

「市場の崩壊によって商品をつくる側も売る側もダンピング競争をはじめ、
つまらないルールで動くようになった。仕事が楽しくなくなっていった。
商品そのものに魅力のないモノを、いくら広告で売ろうとしても本当は無理なのだ」
「問題はクリエイティブの単価が少しも高くならないばかりか、
バナナの叩き売りのようにどんどん安くなっているという現実だ。
その結果、クリエイターにとって、本当につくりたいものが
つくりにくくなっているという状況が、どんどん進行している」

糸井さんがそう思ってたのが1990年代だってことだから、
おいらは、それが当たり前になってから、広告の世界に入ったことになる。
まだこの業界入って10年弱なんだけど、おいらも感じていることは
まさにおっしゃる通り!……てゆうか、2005年の今はもっと状況は悪化してて
ただでさえ、頭の悪いヤツらが、何人もガン首ならべて
金は出さないが良いものをつくれ、と要求してくる、、
それが当たり前の業界になってしまってますわな、、

で、糸井さんはそれに嫌気がさして、
なにか自分たちでイニシアティブ握って面白いことできないか、ということで
「ほぼ日」はじめたらしいですが、やっぱ、そのアイデアと切り口はさすがで
そりゃ、今や1日100万アクセスという天文学的数字も納得できるってものです…

けど、けど、おいらは思うんだけど、、
単にクリエイティブの力と文化祭の夜の情熱的なものだけで
そこまでになったかというと、そうじゃないと思うデスよ、、、
やっぱ、それを成立させたのは
結局、第一はイトイという、かつては流行ったことのあるブランドですよ、、、
無論、クリエイティブの力も大きいだろうけど、
それはイトイというブランドあって成立するアイデアと切り口であり、
集まってきた才能と、許してくれた人ですよ、、、

だって、たとえ、おいらが糸井さんと同じことを思い立って、
始めようとしてたとして、ゼッタイ成立なんてしてませんもん、、、

だから、どうしようもない断末魔の業界と分かっていながら、
ホントにバカなヤツと思う相手にも、愛想よく笑顔を放ち、
ふざけんなと思うような金額を提示されても、それかき集めて暮らしてます、、
食ってかなきゃならんから、生きてかなきゃいかんですから、、
それはおいらだけでなく、似たようなポジションにいる人、
みんなに言えることでしょうけど、、

確かに、そういうヤツらが(おいらを含め)、
糸井さんのいうように「疲弊」してるんは、否定できませんけどね、、、
だから「ほぼ日」が、そういうヤツらをも癒し、楽しませ、応援する場になってれば、
せめて嬉しいけど、、(多分そうなってるんでしょうなぁ、
尋常じゃないアクセス数だから)

あ、あと、ちとばかし、個人的に嬉しかったのは、糸井さんが
インターネット上の文章の読みにくさを考え、1文終わっての行替えにとらわれず
区切りの良いとこで、行替えしていくようにしたら、
それがIT関係のどなたかから、発明的だと絶賛されてって紹介されてたこと、、、
「あ、そんなことならおいらも前からやってますがな、、」と、、、
てゆうか、広告ちょっとでもカジッタことある人なら、誰でも思いつく、、
いや、普通に、少しでも読みやすくって考えてるなら、
誰でも自然とそうしていくようになると、おいらは思うけどなぁ、、、

てことで、そのうちいつか「ほぼ日」を覗きにいこうと思う。。
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by cinema-stadium | 2005-10-28 21:43 | Comments(0)