奥田英朗「マドンナ」

奥田英朗ってホントに大好き!こんだけ惚れた作家って、だれ以来やろ?
この前やっと読んだ「イン・ザ・プール」も楽しかったけど、この「マドンナ」って短編集は出色の出来だと思う。
リーマンが主役の5篇だけど、リーマンじゃないオイラが読んでも、笑える!泣ける!痛い!痒い!心地イイ!!電車の中で何べんニヤッとしたり、ジワーッと潤んだかわかりゃしない。特に表題作と「総務は女房」と「パティオ」は最高です!

e0089956_17462610.jpgオイラの年代(40代)がどこかに抱いている若い娘に対する仄かな憧憬、妻に対する理論や感情を越えた畏怖、親に対する直視したくない不安、、
キャラの極端なぶっとび設定があるわけでもないのに、こんな身近なところにも、こんな普通なことにも、スリリングなことって、いっぱいあんだよって、、まるで山田太一じゃん!!

あと、読んでて何とも痛快なのは、たとえば
「そのとき、ホストとその情婦たちといった感じの、垢抜けない若者の一団がパティオに現れた。雰囲気からしてお台場から流れてきたらしい。」(「パティオ」より)
といった感じで、いまの一部の薄っぺらカルチャーに対するさり気ない皮肉を随所にカマしてるとこ。
さらに上記表現に「北関東のなまりがあった。」とまで畳み掛けてくるんだから、思わず電車ん中でも吹き出してしまう、、
カッコつけないことが、いちばんカッコいいんだって思えるようになった世代にとっては、いや、ホントたまんない本だね。
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by cinema-stadium | 2006-06-29 17:47 | Comments(0)