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■パプリカ(2B)

at テアトル新宿   2006 12/21

盟友などさんがシナリオを担当した「パプリカ」であり、その創作過程における苦しみぶりを身近で見聞きしていたので、なかなかフラットな気分で観て、その感想を書くというのは難しい、、のではあるが、なるべくそうしようと決意して日本良作アニメのメッカ、テアトル新宿へ。

結論として、友人の作品という贔屓目を差し引いても、なかなかレベルの高い作品だった。

まずコレは、非常に個人的な部分でしかないが、スクリーンに、などさんの名前がデン!と出てきた日にゃ、嬉しさと、誇らしさと、うらやましさと、悔しさがゴチャ混ぜになって、身体が震えたね!!ここに至るまで書き続け、生き残り続けた、などさん、そのこと自体が何よりスゴいことだし、敬服に値すべきこと!まぎれもない、あんたは勝者だ!!(ところで、あのタイトルバックのイメージ描写も文字化したのだろうか?)
冒頭の夢描写でいきなり、「ほー、オイラに『ロシアより愛をこめて』『ローマの休日』のビデオを貸してくれ、とか言ってたのは、そういうことだったのか、、、」と、なんか自分が制作裏話に関わってるような嬉しい気分に!

■パプリカ(2B)_e0089956_1154170.jpg全編、夢に追われ、夢を追い、夢と交わる今敏ワールドの中に、自主制作映画の話だとか、イマジナリーラインの話だとか、などさんが自らのアリバイを落とし込んで行く!
筒井原作をまるで知らないオイラは、強引な今敏ワールドに対して、などさんが「辛うじて」抵抗していく様が何ともスリリングで、終始、興味深く観れた。
この映画の「夢が、犯されていく」というキャッチ・コピーは、なるほど、と思わせるコピーだけど、オイラが思ったのは「などさんが、犯されていく」、いや、もっと言えば「などさんが、犯された、、」と言った方が、より正確か、、
結局、オイラのマイナスポイントは、そう感じさせた今監督の度を過ぎた強引感にある。目まぐるしいほど、見たことのないような表現の連続(確かに一つひとつは実際スゴいと思うよ)が続くんだけど、観る者の感情を無視した「どうだスゴいだろ、こんな映像見たことないだろ!」の連続で、押付けがましく感じられて仕方なかった、、。
この強姦されるような気分の悪さが、ある意味、今監督の持ち味なんだろうし、まさに「犯されていく」なんだけどさ、、(この辺、同じコンビの「妄想代理人」のほうが、話と演出のパワーバランスとしてはいい感じだったと思うんだが、、)

むしろオイラは、今監督に羽交い締めにされ、服をはぎ取られても、何とかアリバイをつくろうと頑張った、などさんを痛々しくも誇らしく思うね。


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by cinema-stadium | 2006-12-22 11:54

スタジアム管理人凹貞治


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